プロジェクトの各事業の紹介
1)連携基盤(コモンフロント)の構築
研究代表者・研究分担者が、様々な分野の若手研究者と連携しながら、脳科学研究の成果の社会実装時に生じる倫理的・法的・社会的課題(ELSI)について、国際動向の調査や萌芽的問題の掘り起こしをおこないます。若手研究者と中堅・ベテラン研究者が連携しながら研究を進めていく体制を「連携基盤(コモンフロント)」と呼び、研究者は、学術論文の執筆および一般市民向けの「倫理レポート」の作成をおこないます。
2)倫理ガイドの作成
現在、「脳科学研究をめぐるエンハンスメントの倫理」、「脳科学研究におけるAI・ビッグデータ取り扱いの倫理」という2つの論点に絞って「倫理ガイド」の作成を進めています。これらの倫理ガイドは、脳科学研究において倫理的に注意すべき点、配慮しておくとよい点などを、体系的かつ簡潔に理解できるように作成されます。(※)
3)&(4)知的ネットワークおよびウェブサイトの構築・運営
脳科学研究の成果の社会実装が進むにつれて、社会の多くの人がその影響を受けることになります。そのため、ELSIについての議論は、一部の専門家だけでおこなうのではなく、様々な分野の研究者、様々な立場の市民が相互に交流し、意見を交わしながら議論を深めていく必要があります。(3)および(4)の事業は、ELSIについて協働して議論するための場を提供するものとなります。
(※)本プロジェクトの前身である日本医療研究開発機構・脳科学研究戦略推進プログラム(臨床と基礎研究の連携強化による精神・神経疾患の克服)「脳科学研究の倫理的・法的・社会的課題の解決に関する研究」(代表:東京大学・瀧本禎之、2016年度~2020年度)では、5つの倫理ガイドを作成しました。本プロジェクトでも、前プロジェクトの成果を引き継ぎつつ、同様の方針で「倫理ガイド」を作成します。なお、前プロジェクトで作成した倫理ガイドは、本ウェブサイトに収載されています。